平沼の空をトンボでいっぱいにしよう

 平成14年度より学校教育の中に「総合学習」が取り入れられる。これは,教科の枠にとらわれずに,子ども達に生活の中に生かせる力をつけることを目的にしている。

 これまで学校は,学校の枠の中に何でも取り込み,子ども達を学校に縛りつけてきた。しかし,子ども達が育つ場は学校だけではない。地域や家庭で過ごし学ぶことのほうが学校でよりはるかに多いのである。

総合学習の導入を機会に,学校から子ども達を解放しよう。
子ども達の生活を見つめなおし,子ども達の思いや願いを大切にした活動を行おう。
地域で子どもを育てよう。地域の環境(施設・人・自然)を活用しよう。
 
 そんな思いと,子ども達のトンボに対する願いからこの活動は始まっている。

子ども達は?
 この活動を行った子ども達は,小学校3年生である。1・2年の生活科での活動を通し,自分がやりたいことをしっかりもち,自分の考えた活動をやろうとする意識が高い。学校のプールでの「ヤゴ救出作戦」を体験しており,プールとヤゴの結びつきを知っている。また,ヤゴを育て羽化させた経験から,ヤゴが水層から空層に生活圏を移すことも知っている。社会科「まち探検」で街の施設を調べたが,4〜5月の活動であり,地域のプールは意識していなかった。

この活動を通して
 「ヤゴ救出作戦」といっても子ども達はヤゴを取ることに興味がある。ヤゴを採りを通して学校外の施設にもヤゴ採りができる場所があることを知り,地域の施設・自然に目が向くようにしたい。ヤゴ・トンボを視点として地域の環境にも目を向けさせたい。
 生き物には,生息するための環境が必要なことを知り,自らその環境を作っていこうと考え行動できるようにしたい。
 より多くのトンボが飛ぶ町にしたいという願いをもち,ヤゴを採った地域のプールをより多くのトンボが集まり,多くのヤゴがくるよう働きかける意識をもち活動できるようにしていきたい。

地域の特性
 平沼(横浜市西区)の地域は,帷子川を埋め立ててできた土地である。横浜駅に近く,商業地域と住宅地域が混在している。少なくはなってきているが,印刷業・鉄工業などの町工場も残っている。鉄道・幹線道が通っており,生活面で便利である。
 公園はいくつかあるものの植生は単調で自然と触れ合える機会はほとんどない。子ども達は,他の地区に比べ空気や川が汚いという意識をもっている。

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